今回は、千葉県市議会議長会会長/流山市議会議長の森りょうじさんにお話を伺いました。

流山市がこれからさらに暮らしやすい街になっていくために、今どのような課題があり、何を変えていく必要があるのか。

森さんが課題として挙げたのが、子どもたちの「教育の選択肢」でした。

子育ての街として人口が増えてきた流山で、これからどのような教育環境をつくっていきたいのか。その考えを伺います。

市内で学び続けたい子どもたちの選択肢を増やしたい

――現在、流山市にはどのような課題があると感じていますか?

課題を感じているのは、子どもたちの教育です。

流山は「子育ての街」として発展してきました。実際に子育て世帯も増えていますし、小学校や中学校の建設も続いています。

ただ、子どもの立場から考えたときに、本当に十分な選択肢が用意されているのかというと、まだ課題があると思っています。特に考えているのが、高校の選択肢と幼児教育の選択肢です。

――まず、高校についてはどのような課題があるのでしょうか?

流山市内では小中学校の建設が続き、現在は全部で29校(2026年現在)あります。一方、高校になると市内の県立高校は5校です。もちろん学校の数だけの問題ではありません。

私が課題だと感じているのは、学ぶ意欲のある子どもたちにとって、市内で進学先を選ぼうとしたときの選択肢が限られていることです。実際、流山の子どもたちが高校へ進学すると、市内の高校へ通う割合は20%以下で、80%以上が市外の学校へ出ています。小学校、中学校までは地域の中で育ってきた子どもたちが、高校進学のタイミングになると市外へ出ていく。子育てをきっかけに流山へ移ってきた方からも、「高校の選択肢が少ないんですね」という声を聞きます。

子育ての街を掲げるのであれば、小中学校までではなく、その先の教育についても考えていきたいと思っています。

――具体的には、どのような選択肢をつくりたいと考えていますか?

私が実現したいのは、市内に中高一貫校をつくることです。

流山の子どもたちに新しい進学先を提供するだけではなく、市外からも「ここで学びたい」と思う子どもたちが集まる学校になれば、流山という街にとっても大きな意味があると思っています。

――もう一つ、幼児教育にも課題を感じているそうですね。

流山は子育て世帯が増えたことで、保育園も急速に増えてきました。約20年の間に、20園程度から約110園にまで増えています。共働きの家庭が多い流山にとって、子どもを預けられる環境が充実してきたことは、とても良いことです。一方で、市内の幼稚園では園児が減っています。

ここで考えたいのは、保育園と幼稚園のどちらが良いかという話ではありません。3歳から5歳という時期を子どもの視点で考えたときに、預かってもらえる環境だけではなく、幼児教育を受ける機会についても、もっと選べるようにしたいんです。

幼稚園の先生方とお話しすると、皆さん幼児教育に対して強い思いを持っています。ただ、共働き家庭が増えている今、その思いだけでは保護者のニーズと合わず、結果として保育園を選ぶ家庭が増えていきます。

私自身、保育園の先生方ともお付き合いがありますし、保育園が担っている役割の大きさも理解しています。ただ、保育園と幼稚園では、それぞれが持っている機能や得意とする部分が違います。

――その課題を、どのように解決していきたいですか?

一つの答えになると考えているのが、認定こども園です。認定こども園であれば、保育の機能を持ちながら、幼児教育にも力を入れられます。保護者は働いているから保育園しか選べない、幼児教育を重視したいから幼稚園を選ぶ、という二択ではなくなります。

流山市でも認定こども園を増やして、家庭の働き方と子どもの教育を両立できる選択肢をつくっていきたい。高校についても、幼児教育についても、私が考えていることは同じです。

大人側の都合で「ここから選んでください」と決めるのではなく、子どもたちにとって選べる道を増やしていく。子育て世帯が増えた今の流山だからこそ、次は教育の中身や選択肢について考えていく時期に来ていると思っています。

森 りょうじ 千葉県市議会議長会会長/流山市議会議長


2003年

流山市議会議員当選(一期目)

議会のインターネット中継やグリーンバス、 「地域職業相談所」設立を実現


2007年

シンクタンク東京財団・政策研究部に在籍(2年間)

世界や日本の地方政治・地方自治を研究、講演活動も展開


2011年

流山市議会議員当選(二期目)


2015年

流山市議会議員当選(三期目)

議会運営委員会委員長(前期)

第28代市議会副議長就任(後期)


2019年

流山市議会議員当選(四期目)

 監査委員(議会選出)

議会運営委員(前期)

都市建設委員(前期)


2021年

第30代市議会議長に就任(後期2年間)